最近は自宅の固定回線(光回線)を引く代わりに、WiMAXやポケットWiFiといった無線回線や、楽天モバイルなどの無制限プランでを導入するという人が増えている。
実際これらのサービスは光回線のような工事も不要で、かつ料金も手頃なので人気が高い。
とはいえ、やはり実際に契約となると「光回線のように使えるのか?」、「5Gが使えれば光回線はいらないの?」など、気になることも多いと思う。
そこで今回は、光回線の代替手段として検討されがちなサービスの比較と、実際に光回線代わりに使うならどのサービスがおすすめかなどをまとめて解説していく。
光回線の代わりに使える無線回線サービスの比較
スマホ回線 | WiMAX | ポケットWiFi | ホームルーター | |
---|---|---|---|---|
おすすめ度 | ||||
回線 | 4G LTE 5G |
WiMAX2+ 4G LTE 5G |
4G LTE 5G |
WiMAX2+(WiMAX) 4G LTE 5G |
通信容量 | 20GB~無制限 | 無制限 | 50~100GB | 無制限 |
通信速度 | ◎ | ◎ | ◯ | △ |
通信エリア | ◎ | ◯ | ◎ | △ |
同時接続 | △ | ◯ | ◯ | ◎ |
現状、固定回線(光回線)の代替となり得るサービスは上記の4つ。
基本的な通信の仕組み自体はどれもほぼ同じだが、サービスごとに
- 使用回線
- 月間のデータ容量
- 通信環境(速度・エリア)
- 同時使用台数
- 利用する端末
などは異なってくる。
スマホ回線のテザリング
おすすめ度 | |
主なサービス |
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docomoのギガ放題や、楽天モバイルなどの無制限プランを使ったテザリング。
スマホ回線をそのまま使うため、通信速度・エリア・安定性は高いが、スマホ端末1台で運用する場合は1台に全て負荷がかかるので、バッテリーの減りが早くなる。
また、同時接続数の問題もあるため、テザリングでMAX数台までしか使わない、もしくはスマホのみで事足りるという人向け。
メリット
- 通信エリアが広く速度も安定している
- 通信費用が安くなる
- 端末一台で完結する
デメリット
- スマホ本体の充電が減る
- 複数の端末での同時利用は厳しい
- プランによってはテザリングが有料(au/softbank)
WiMAX系
おすすめ度 | |
主なサービス |
|
UQ WiMAXを始めとする、WiMAX系のモバイルWiFiルーター。
スマホ回線と比べるとエリアの面で少し弱いところがあるものの(地下・建物内・田舎など)、こちらはWiMAX専用の回線であれば月間無制限で使うことができ、有料ではあるがauの回線の一部もサブ回線として使うことができる。
専用端末を使って通信するので、スマホだけでなく複数の端末を使いたいという方や、長時間通信をするという方向け。
メリット
- 通信エリアが広い(auエリア使用時)
- 月間容量が無制限
- キャリアのポケットWiFiよりも料金が安い
デメリット
- スマホ回線よりはエリアが狭い
- 専用端末が必要
ポケットWiFi系
おすすめ度 | |
主なサービス |
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docomo、softbankのポケットWiFiや、クラウドSIMを使ったポケットWiFi。
大きく分けると大手キャリアがそれぞれ出しているモバイルWiFi(ポケットWiFi)と、クラウドSIMという、3キャリア全ての回線に繋ぐことができるモバイルWiFiの2種類がある。
種類によって使える容量・回線・速度制限などは異なるが、基本的にはこちらもWiMAX同様、複数端末で使ったり、スマホと回線の使い分けをしたい方向け。
メリット
- トリプルキャリアで接続できる(クラウド系)
- 複数台数の端末で繋げても問題ない
- 格安のスマホプランと組み合わせられる
デメリット
- 月間容量が決まっている
- 種類が多いため選ぶのが大変
- 専用端末が必要
ホームルーター系
おすすめ度 | |
主なサービス |
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ソフトバンクエアー、docomoのホーム5G、UQ WiMAXが出しているホームルーターなど。
ポケットWiFiやWiMAXをホームルーター専用のプラン・端末で利用するもので、端末とプランが家専用となったポケットWiFiと考えるとわかりやすい。
持ち運びができる端末よりも同時接続の台数が多いので、家専用で使いたい方向け。
メリット
- 機種によってはポケットWiFiよりも繋がりやすい(home 5Gなど)
- 同時接続台数がダントツで多い
デメリット
- 月額料金が高い
- 家以外の場所では使えない
- 専用端末が必要
- 端末の性能差が大きい
固定回線(光回線)のおすすめ代替サービス3つ
以上が各サービスの違いだが、これだけではまだ具体的にどのサービスが良いかがわからないと思うので、ここからは個人的におすすめだと思う、光回線の代替サービスを3つ紹介する。
詳細記事があるものはそちらのリンクも貼っているので参考にしてほしい。
- AiR-WiFi
- UQ WiMAX
- 楽天モバイル
中容量&コスパ重視なら「AiR-WiFi」
種類 | クラウドWi-Fi(ポケットWiFi) |
回線 | 回線docomo/au/Softbankの3回線 |
月間容量 | 100GB |
通信速度 | 上り:50Mbps 下り:150Mbps(超過後は128Kbpsに制限) |
月額料金 | サクッとプラン:3,278円 まるっとプラン:3,608円 らくらくプラン:3,718円 |
契約期間 | 1年(縛りなしも可能) |
解約違約金 | 2-12ヶ月目:7,700円 14-25ヶ月目:5,500円 更新月(13,26ヶ月目など):0円 縛りなしオプション利用時:0円 |
AiR-WiFiは株式会社Ocean Mapが提供するクラウド系モバイルWiFiサービス。
月間容量は100GBまでで、速度もそこまでだが、docomo・au・Softbankの3回線を切り替えて使うことが可能で、料金も月3,218円と、こういったポケットWiFiの中では業界最安レベル。
月に無制限で使いたいという人には向かないが、ある程度の容量でかつ繋がりやすさを重視しているという場合であれば、かなりおすすめと言える。
無制限で快適に使うなら「UQ WiMAX」
種類 | WiMAX/ホームルーター |
回線 | WiMAX2+&au回線(一部有料) |
月間容量 | なし(3日15GB以上で3Mbpsに制限) |
通信速度 | 上り:183Mbps 下り:2.7Gbps |
月額料金 | 【ギガ放題Plus】 1~24ヵ月目:4,268円 25ヶ月目以降:4,818円 |
契約期間 | 2年 or なし |
解約違約金 | 1~24ヶ月:1,100円 25ヶ月目以降:0円 |
UQ WiMAXは、UQ WiMAXやUQ Mobileを提供するUQコミュニケーションズが運営するWiMAXであり、WiMAX系の大元。
こちらは3日で15GB以上利用すると速度超過にかかるものの、月間の通信容量の制限はなく、エリアもWiMAX専用の回線とauの繋がりやすい回線もオプションで利用できるため、無線回線の中では一番光回線のような無制限に近い使い方ができる。
また、持ち出し用の端末とホームルーターの両方が選べるので、無制限かつ快適に使いたいという人にとっては最適な選択肢だろう。
テザリングで無制限なら「楽天モバイル」
種類 | テザリング/ポケットWiFi |
回線 | 楽天回線+au回線 |
月間容量 | 無制限(1日10GB以上で3Mbpsに制限) |
通信速度 | 上り:275Mbps 下り:2.8Gbps |
月額料金 | 1GBまで:0円 1~3GB:980円 3~20GB:1,980円 20GB以上:3,278円 |
契約期間 | 特になし |
解約違約金 | 0円 |
楽天モバイルは、楽天が提供している第4のキャリア。
こちらもWiMAX同様に1日10GBまでの通信制限はあるが、月間の容量制限はないので、実質的に無制限で利用ができ、料金も段階制でMAXまで使っても月3,278円と非常に安い。
楽天モバイルはエリアが狭いという問題があるが、ポケットWiFi専用の端末も用意されていて、使い方の自由度も高いので、楽天モバイルのエリア内に住んでいたり、音声通話と一緒に使いたい方などには特におすすめ。
結局どれを選べばいい?
ここまでを改めてまとめると、
- 無制限でたくさん使いたい人→WiMAXorスマホテザリング(無制限)
- 小~中容量で軽めに使う人→ポケットWiFi(クラウドSIM)
- 家だけで使う人→ホームルーター
といった感じ。
最近は「5Gの速度が光回線と同じぐらいになってきた」という話もちらほら出てきているが、少なくとも現在では、まだまだエリアや月間の通信容量の制限など、問題がたくさんあるので、完全に代替できると言い切れない。
とはいえ、使い方次第では光回線でなくても十分事足りるということもあるので、各自の用途や予算に応じて最適なものを選ぶのがいいだろう。