最近はスマホの無制限プランが増えてきたこともあり、ポケットWiFiとスマホのテザリングのどちらか一本に絞りたいという人も多い。
結論から言うと、完全にその人の用途次第という感じで、単純にどちらの方が優れている・劣っているというのはない。
ただ、それだけではよくわからないと思うので、今回はポケットWiFi(WiMAX)と無制限プランでのスマホのテザリングはどちらが良いかを様々な角度から比較し、どちらがどういった人に向いているかを解説していく。
2つを比較する上での大前提
ポケットWiFiとテザリングの違いを比較する前に、まずは2つの大前提を先に書いておく。
ポケットWiFiとWiMAXの違い
この2つを混同している人も多いが、正確には
- ポケットWiFi=ワイモバイルの通信回線サービス
- WiMAX=UQコミュニケーションズの通信回線サービス
という感じで、ポケットWiFiはソフトバンクのLTE回線を使っていて、WiMAXはWiMAX2+というWimax専用の回線とauのLTEを組み合わせているので、正確に言うとこの2つは名称も使用回線も異なる。
つまり、どちらも括りとしては「モバイルルーター」に位置づけされているもなのだが、一般的には「ポケットWiFi」や「モバイルWiFi」と呼ばれているということだ。(iphoneをスマホと呼んでいるような感じ)
ポケットWiFiとテザリングの違い
ポケットWiFiとテザリングは、どちらも「端末を通じてネットワークに繋ぐ」ということをしているだけに過ぎないので、技術的にはやっていることは変わらない。
つまりは、接続先の端末がモバイルルーターかスマホであるかが違うだけだが、ポケットWiFiもといモバイルルーターは、専用端末である分、テザリングよりも高速で通信ができる。
ポケットWiFiとスマホのテザリングの比較
ポケットWiFi | テザリング | |
月額料金 | 3,000~4,000円 | 3,000~6,000円 |
通信制限 | 3日で10GBまで(WiMAX) | 月30~60GB(会社による) |
超過後速度 | 1Mbps | 1~3Mbps |
通信速度 | ◎ | ◯ |
使い勝手 | △ | ◯ |
通信エリア | ◯ | ◎ |
両社の違いはこんな感じ。
速度について
端末自体の通信速度(ダウンロード)は正直どちらもほとんど変わらないと思っていい。
これは端末や、使用回線、接続方法など、様々な要因や環境で大きく変わってくるので、正直あまり参考にならない。
特にスマホでテザリングをする場合は、端末の性能によって通信速度が倍近く変わることがあるので、あえていうなら端末次第といった方がしっくりくるだろう。
エリア・繋がりやすさについて
これに関しては、端末がどの周波数を拾えるかによって異なるのだがが、基本はより多くの周波数が拾えるスマホの方が繋がりやすいと考えていい。
つまり簡単に言うと
- スマホ=高周波・低周波の周波数帯を利用
- WiMAX/ポケットWiFi=主に高周波の周波数帯を利用
という感じで、高周波の周波数が利用されている所であればほとんど違いはないが、地下や建物内、郊外などの低周波の周波数が利用されているところでは、ポケットWiFiは電波を掴みづらいということがある。
ただ、例えばWiMAXでもオプションでauのLTE回線をつけることができるので、完全にスマホの方が上というわけではない。
料金面
料金に関しては組み合わせ次第なのが正直な所。
例えば、ポケットWiFiの方を安くしようと思えば
- WiMAXギガ放題(3,880円)+mineo1GB(1,180円)=月5,230円
- docomoギガホプレミア=月6,550円
という風にもできるし、逆にスマホの方を安くしようと思えば
- 楽天モバイル(2,980円)+OCNモバイルONE(1,180円)=月4,160円
- 楽天モバイル=月2,980円
という風にすることもできる。
使い勝手
使い勝手に関しても人によるが、大容量で使う前提なら個人的にはポケットWiFiの方がなにかとストレスは少ないと思う。
スマホのテザリングは荷物が減るメリットはあるが、1台で全てを賄うため、スマホへの負担が大きく、バッテリーの減りが大きい。
また、家族と共有で利用するという場合、スマホ1台だと外出時に家族が使えない・接続台数が少ないというデメリットもあるので、そういった面での使い勝手はポケットWiFiが勝るだろう。
ポケットWiFiとテザリングのメリット・デメリット
続いて、それぞれのメリット・デメリットを紹介していく。
ポケットWiFiのメリット・デメリット
メリット
- 複数の端末を使うことができる
- 格安のスマホプランと組み合わせられる
デメリット
- 充電・持ち運びが面倒
- 契約・解約が面倒
スマホのテザリングのメリット・デメリット
メリット
- 荷物が減る
- 通信費用が安くなる
- 一部プランでは料金が安くなる(楽天モバイルなど)
デメリット
- スマホ本体の充電が減る
- 複数の端末の同時利用は厳しい
- プランによっては有料になる(au/softbank)
結局どっちを選べばいい?
ポケットWiFiが向いている人
- 外出先でもバリバリ通信がしたい(ゲーム・仕事)
- PCやゲーム機など複数端末を同時接続する
- 長時間通信をする
- 格安プランと組み合わせて安く運用したい
- 光回線代わりに使いたい
- 家族がいる
スマホのテザリングが向いている人
- 荷物を増やしたくない
- 余計に契約したくない
- たまにしかPCなどを使わない
- 2回線で利用したい
基本的には使い方次第だが、どちらか一つしか選べない人の場合は、スマホのテザリングで一本化してしまうのがいいだろう。
ただ、その場合、楽天モバイルは回線エリアが貧弱なので、できればDSDS(2回線利用)で組み合わせるか、docomoのギガホなど回線が優秀なところを選んでおこう。
逆に光回線の代わりのような感じで使うなら、やはり特化したポケットWiFiの方が使い勝手は勝るので、そちらを選んで、格安のMVNOとの組み合わせで利用することをおすすめだ。
可能な人はまずスマホの無制限プランに変えてみて、問題なければそのまま使う、問題があればポケットWiFiを検討するという形で考えるのが最も良いだろう。