光回線はそもそもの仕組みが複雑だったり、種類が多く、どのように選べばいいかがわからないと迷ってしまう人も多い。
そこで、今回はマンション・アパートなどの賃貸向けに、光回線の選び方、そして光回線に関する疑問点・注意点をできるだけわかりやすく紹介していく。
また、後半では、使っているスマホや環境に合わせたおすすめの光回線も紹介しているので、ぜひブックマークなどに入れて、参考にしていただけると幸いだ。
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光回線を選ぶ上での大前提
まず光回線を選ぶ上で知っておくべき2つの大前提を解説する。
これを知らずして光回線は選べないというぐらいにここは超重要なので、まずここを理解してから回線を選ぶようにしよう。
現在の光回線は2種類
光回線はdocomo光とかSoftbank光など格安SIMみたいに色々種類があるが、大きくわけると個人向けのサービスとしては
- NTTとの光コラボ
- 独自回線
の2つに分類することができる。
NTTとの光コラボ
エリア | 全国 |
主なサービス | ドコモ光 Softbank光 OCN光 So-net光 ビッグローブ光 en光など |
光コラボというのは、NTTのフレッツ光とプロバイダをセットにしたサービスのこと。
一昔前は、「フレッツ光+So-net/BIGLOBE」のように、フレッツ光とプロバイダをそれぞれ別で契約しないといけなかったが、2015年からは光コラボといって2つまとめて契約できるようになった。
光コラボもフレッツ光と同じ回線設備をつかっており、回線の品質は全く変わらないため、現在は「フレッツ光+プロバイダ」のように別々で契約するのではなく、光コラボで契約するというのが主流になっている。
独自回線
エリア | 限られる |
主なサービス | auひかり NURO光 eo光 コミュファ光 メガエッグ BBIQ |
独自回線は、フレッツ光の回線に頼らず、自社で回線を提供しているサービスのこと。
いずれも提供エリアが限定されているが、フレッツ光回線と比べて、利用者自体が少ないため、実測値の速度が速いという特徴がある。
建物で選べるものは限られている
アパートやマンションなどの集合住宅の場合は、その建物自体で既に光回線を契約しているということがほとんどなので、建物で契約している光回線のサービスを選ぶしかない。
つまり、
- NTT回線を引いている→NTT系の光コラボ
- KDDI回線を引いている→auひかり
という感じで、NTT回線なら光コラボ、その他の独立回線ならそれに合ったものを選ぶ形になる。(基本的にはほぼNTT回線)
一応NTT回線であっても、提供エリア内であれば独自にauひかりやNURO光を引くこともできるが、その場合はかなり大掛かりな工事が必要なってくるのと、大家さんや管理会社の許可が必ず必要になってくるので、あまりおすすめしない。
マンション・アパートの光回線の選び方
以上の2点を踏まえた上で、ここからは具体的な光回線の選び方を解説していく。
ここを知っている・知らないで、毎月の基本料はおろか、最初の契約で数万円損することもあるのでぜひ確認してほしい。
どの光回線を使っているか
前述の通り、マンションなどの集合住宅は、選べる光回線が限られているため、まずなによりも「自分が住んでいる建物がどの回線を使っているか」を第一に確認することが重要だ。
また、「部屋まで光回線が通っている」、「建物の共有部分まで光回線が通っている」などについても、建物ごとに違うので、その部分についても合わせて確認する必要がある。
なお、これらは管理会社に確認するか、各光回線事業者のHPを見るなどの方法で確認することができる。
スマホとのセット割があるか
建物で選ぶことができる光回線がわかったら、次に確認することはスマホとのセット割の有無。
大手キャリアや、OCNモバイルONEやBIGLOBEモバイルなどの一部の格安SIMでは、指定の光回線とセットで使うことで、毎月の光回線やスマホの料金が割引されるというサービスがある。
例えば大手キャリアなどなら1回線あたりにつき月1,100円の割引が受けられるので、家族が多ければ多いほどこの割引の影響も大きくなるので、光回線を選ぶ際はこのセット割が効くかを確認することをおすすめする。
もし、スマホとのセット割がない格安SIMを使っている、あるいはセット割の料金がしょぼいという場合は、セット割がなくても基本料金の安い光回線サービスを選ぶといいだろう。
どの代理店のキャンペーンがお得か
セット割の有無に加えて、実際にどの代理店で契約するかを比較するというのも重要な要素の1つ。
そもそも光回線は
- プロバイダの公式サイト
- 携帯キャリアの店舗
- 家電量販店
- ネット系の代理店
など、申し込みの窓口が複数用意されており、例えばドコモ光でいっても、ドコモ光の公式サイト以外にも、docomoショップ、ケーズデンキなどの家電量販店、そしてネット系の代理店だけでも
- GMOとくとくBB
- OCN
- nifty
- DTI
など20~30以上の代理店が存在する。
どの窓口で申し込んでも、提供されるサービス自体に違いはないが、キャッシュバックなどのキャンペーン内容に関してはかなり違いがあるため、同じサービスを申し込むのなら、なるべくキャンペーンが充実している窓口で申し込んだ方が絶対にいい。
どうしても対面で話を聞きたいのであれば店舗型の代理店でもいいが、基本的には「ネット系の代理店>プロバイダ>店舗」の順でお得になっているので、可能な限りネット系の代理店の中でのキャンペーンを比較して、最もお得な代理店経由で契約することをおすすめする。
環境別のおすすめ光回線&代理店
以上の選び方を踏まえていれば、おのずと選ぶべき光回線サービスや窓口は絞られてくるが、そうは言っても、「実際に色々比較して選ぶのは面倒」という方もいると思うので、ここからは環境別におすすめの光回線&特典がお得な代理店を紹介していく。
NTT回線+docomo/ソフトバンクの場合
建物がNTTの光回線を使っていて、docomo/Softbankのキャリアを使っているという方は、セット割がある「docomo光/ソフトバンク光」の光コラボを選ぶのがおすすめ。
また、その中でも、
- docomo光→とくとくBB
- Softbank光→エヌズカンパニー
が特にお得な&人気の代理店になるので、そこで申し込むのがおすすめだ。
docomo光
回線 | NTT(フレッツ光) |
月額料金 | 4,400円 |
契約期間 | 2年自動更新 |
解約違約金 | 8,800円 |
最大速度 | 1Gbps |
新規特典 | 最大20,000円キャッシュバック 2,000dポイントプレゼント Wi-Fiルーターを無料レンタル |
Softbank光
回線 | NTT(フレッツ光) |
月額料金 | 4,180円 |
契約期間 | 2年自動更新 |
解約違約金 | 10,450円 |
最大速度 | 1Gbps |
新規特典 | ①最大37,000円キャッシュバック ②32,000円キャッシュバック+Wi-Fiルーターを無料プレゼント |
NTT回線+au「ビッグローブ光/So-net光プラス/@nifty光」
建物がNTTの光回線を使っていて、auを使っているという場合は、auスマートバリューが適用になる光コラボを選ぶのがおすすめ。
具体的には、NTTの光コラボの中だと
- ビッグローブ光(NNコミュニケーションズ)
- So-net光+
- @nifty光(NNコミュニケーションズ)
がauスマートバリュー適用で月1,100円安くなるので、この中でキャッシュバックが多いところを選ぶといいだろう。
ビッグローブ光
回線 | NTT(フレッツ光) |
月額料金 | 4,488円 |
契約期間 | 2年自動更新 |
解約違約金 | 最大22,000円 |
最大速度 | 1Gbps |
新規特典 | ①最大30,000円+3,000円キャッシュバック ②最大25,000円+3,000円キャッシュバック&Wi-Fiルーターを無料プレゼント |
So-net光
回線 | NTT(フレッツ光) |
月額料金 | 4,928円 |
契約期間 | 3年自動更新 |
解約違約金 | 20,000円 |
最大速度 | 1Gbps |
新規特典 | 最大70,000円+26,400円キャッシュバック パソコン1台分の設定サポート Wi-Fiルーターを無料レンタル |
@nifty光
回線 | NTT(フレッツ光) |
月額料金 | 4,378円 |
契約期間 | 3年自動更新 |
解約違約金 | 10,450円 |
最大速度 | 1Gbps |
新規特典 | 最大30,000円キャッシュバック(※3年契約) |
NTT回線+楽天モバイル「楽天ひかり」
回線 | NTT(フレッツ光) |
月額料金 | 4,180円 |
契約期間 | 3年自動更新 |
解約違約金 | 10,450円 |
最大速度 | 1Gbps |
新規特典 | 最初の1年間は料金が無料(※楽天モバイルと同時利用の場合) 楽天SPUの倍率がUP |
建物がNTTの光回線を使っていて、楽天モバイルをメインで使っているという場合は、最初の1年間は月額料金(4,180円)が無料になる楽天ひかりがおすすめ。
またこれもSPU(スーパーポイントアッププログラム)の対象になるので、楽天ポイントの倍率が1%アップするので、楽天の関連サービスをよく使う方はかなり魅力的だろう。
ただし、楽天ひかりの場合は、他でやっているようなキャッシュバックやスマホのセット割がないのと、工事が必要な場合はかなり費用がかかるので、その点は要注意。
NTT回線+格安SIM「DTI光/enひかり/excite MEC光」
建物がNTTの光回線を使っていて、セット割がない格安SIMを使っているという場合は、基本料金が安く、解約違約金が発生しないDTI光、enひかり、excite MEC光などがおすすめ。
この2つはどちらも月額料金が3,000円台と、マンションタイプの中ではかなり料金が安くなっていて、なおかつ最低利用期間や解約違約金がないため、好きなタイミングで解約することができる。
もちろんOCNモバイルONEや、ビッグローブモバイルなら、それぞれOCN光、ビッグローブ光でセット割があるので、そういった場合はそちらを優先した方が良い。
DTI光
回線 | NTT(フレッツ光) |
月額料金 | 3,960円 |
契約期間 | 特になし |
解約違約金 | 0円 |
最大速度 | 1Gbps |
新規特典 | 最大16,000円キャッシュバック |
enひかり
回線 | NTT(フレッツ光) |
月額料金 | 3,520円 |
契約期間 | 特になし |
解約違約金 | 0円 |
最大速度 | 1Gbps |
新規特典 | 特になし |
excite MEC光
回線 | NTT(フレッツ光) |
月額料金 | 3,850円 |
契約期間 | 特になし |
解約違約金 | 0円 |
最大速度 | 1Gbps |
新規特典 | 最大24,100円割引 |
KDDI回線なら「auひかり」
回線 | KDDI |
月額料金 | 3,740~5,500円 |
契約期間 | 2年自動更新 |
解約違約金 | 7,700円 |
最大速度 | 1Gbps |
新規特典 | 最大32,000円キャッシュバック |
建物がKDDIの光回線を使っていて、auを使っているという場合は必然的にauひかりになる。
auひかりはNTTのような光コラボがないため、プロバイダを選ぶ必要があるが、NTT回線よりも利用者が少ないため、回線が混みにくく速度が安定している。
ちなみ、たまにマンションなどにKDDI回線の訪問営業が来ることがあるが、前述の通り、NTT回線がマンションに引いてある場合は、そもそもKDDI回線のauひかりは使えないので、もしNTT回線を既に使っているなら、営業が来ても即断ることをおすすめする。
独自回線がOKなら「NURO光」
回線 | NURO光独自回線 |
月額料金 | 2,090~2,750円 |
契約期間 | 3年自動更新 |
解約違約金 | 10,450円 |
最大速度 | 2Gbps |
新規特典 | 最大25,000円キャッシュバック |
マンションで回線が自由に選べる、かつエリアに対応しているのであれば、高速回線のNURO光がおすすめ。
NURO光は光回線サービスの中でも最も速度が速く、安定しているので、特に通信環境を重視しているという人にはイチオシの回線。
ただし、NURO光は導入の際に宅内工事と屋外工事の2つをそれぞれ別で行う必要があり、実際に申し込みから開通までは1~3ヶ月程度かかるのでその点には注意。
光回線に関する疑問点・注意点
最後に、光回線を選ぶ際におそらく気になるであろう疑問点と注意点をまとめて紹介する。
通信速度について
光回線を選ぶ上では通信速度が気になると思うが、結論から言うとマンションなどの集合住宅の光コラボなら、どこを選んでもほとんど速度は変わらないので、ここはあまり気にする必要はない。
厳密に言えば、プロバイダによっては実測値が変わることもがあるが、基本的にNTT系であれば、IPv6 IPoE/IPv4 over IPv6の接続オプションがある光コラボを選んでおけばOK。
なお、auひかりやNURO光などの独立系回線では、デュアルスタック方式といって標準対応しているのであまり気にしなくていい。
利用開始までの期間は?
光回線を実際に申し込んでから使えるようになるまでの期間は、大体どこも3~4週間ほど。
空いている時期などは2週間程度済むこともあるが、3月・4月などの繁忙期は1ヶ月以上かかることもあるので、いずれにしても余裕を持って申し込んでおくことが大事。
マンションでも工事は必要?
物件による。
マンションが光回線に対応していても、その回線が共有部分まで来ているのか、もしくは各部屋まで来ているのかによって工事の必要の有無が変わる。
NTT回線で言うと、部屋に光コンセントと呼ばれるものがあれば工事は不要なので、引っ越しの場合などは部屋にこれがあるかどうかをチェックすると良い。
また、転用(フレッツ光→光コラボ)、あるいは事業者変更(光コラボ→別の光コラボ)する場合も、同じ設備を流用するので、基本的に工事は不要になる。
ポケットWiFiやWiMAXでは代替できない?
代替できないこともないが、光回線を使えるなら光回線の方が絶対にいい。
ポケットWiFiやWiMAXは、家以外でも使うことができるが、その分データの容量制限があったり、通信の安定性の面でどうしても光回線に劣るので、
- 光回線がどうしても導入できない
- サブとして導入したい
- 軽くしかネットを使わない
- 入院などで一時的に使う
- 家の外でも使う
などの場合に限って検討するという感じにすることをおすすめする。
キャッシュバックの注意点
キャッシュバックに関しては、前述の通り、内容が良いものを選んだ方がいいのだが、ここに関してはいくつか注意点がある。
キャッシュバック自体はもちろん、内容が良いものを選んだ方がいいのだが、例えばあまりにもキャッシュバック金額が大きい代理店だと、有料オプションの加入が必須になっていたり、ウォーターサーバーと抱合せみたいになっていることもある。
また、キャッシュバックの受け取りに関しても、実際に受け取るまでに3~11ヶ月後とタイムラグがあり、かつ受け取りの案内も自動ではなく、プロバイダのメールアドレスに来る案内メールから手続きをする必要があるなど、受け取りづらい仕組みになっている。
なので、確実にキャッシュバックを受け取るためには、Gmailなどのよくアドレスに転送設定をするか、カレンダーにキャッシュバックを受け取りの日付を書くなど工夫が必要。
まとめ
長くなったが、ここまでの要点をまとめると、
- マンションの光回線は選べるものが限られている
- 選択できるもの中でサービスを比較する
- スマホ割があるかをチェックする
- キャッシュバックの多い代理店経由で契約する
これらを最低限覚えておけば、おのずと選ぶべき光回線と窓口は絞られてくるので、選べるものの中から、最もお得なところを選ぶということを頭に入れて、光回線サービスを選ぶことをおすすめする。