楽天モバイルは4/1から現行プランのアップデート版である「楽天アンリミット6」を発表した。
料金は月20GB以上は2,980円、3~20GBは1,980円、1GB未満は無料と段階性になっていて、さらにこれまで同様に通話し放題という大盤振る舞いぶりだ。
ただ、結論から言うと、楽天モバイルはメイン回線ではなく、2つ目のサブ回線として契約するのがおすすめと言える。
それは、実は楽天モバイルには他の3キャリアと比べて致命的な弱点が4つあるからである。
今回は、楽天モバイルを検討しているorすでに入っていて4/1以降のプランを継続するかで悩んでいる人向けに、あえて楽天モバイルの注意点を解説していく。
楽天モバイルの楽天UN-LIMIT VIについて
楽天アンリミット6の特徴
楽天アンリミット6の特徴は以下の通り。
- 2021年4月1日より開始
- 使用容量に応じて料金が変わる(パートナーエリアも含む)
- 1G:無料/3~20GB:1,980円/20GB以上:2,980円
- パートナーエリアは月5GB
- 月5GBの超過後は最大1Mbps
- 1年無料キャンペーンは継続(300万回線残りは少ない)
- 2021年の夏からメールアドレスを提供
- オンライン+店舗対応あり
楽天アンリミットは新プランではなく、現行の楽天アンリミット5のアップデート版。
基本的な内容はこれまでのアンリミット5と同じで、料金がGBによって細分化されたと考えるとわかりやすいだろう。
現在楽天モバイルをすでに使っている人は、4/1からそのまま自動的にアンリミット6に変わる。
楽天アンリミット6の料金表
ahamo | povo | LINEMO | 楽天モバイル | |
月額料金 | 2,980円 | 2,480円 | 2,480円 | ~1GB:無料 1~3GB:980円 3~20GB:1,980円 20GB~:2,980円 |
通信 | 4G/5G | 4G/5G | 4G/5G | 4G/5G |
通信エリア | ◎ | ◎ | ○ | △ |
通信容量 | 20GB | 20GB | 20GB | パートナー回線:5GB 楽天回線:無制限 |
ギガノーカウント | – | 200円 | LINE通話など | 楽天エリア内 |
速度制限 | 1Mbps | 1Mbps | 1Mbps | 3Mbps(1Mbps) |
かけ放題 | 5分かけ放題:無料 かけ放題:1,000円 |
5分かけ放題:500円 かけ放題:1,500円 |
5分かけ放題:無料 かけ放題:1,500円 |
無料(※アプリ) |
海外データ通信 | 82カ国(無料) | – | 有料 | 66カ国(無料) |
申込み | Web | Web | Web+LINE | Web+店舗 |
キャリアメール | – | – | – | あり(※夏から) |
楽天アンリミット6の4つの注意点
楽天回線はエリアが広がっても繋がりづらい
楽天モバイルが繋がりづらいのはおそらく多くの方が知っていると思うが、それは単に基地局が少ないからだけではないことを知っているだろうか?
これは2つ理由があり、1つは単純に基地局が足りていないということ。そして、楽天モバイルに割り当てられているバンド(周波数帯)が少ないからである。
楽天では他の3キャリアで持っている必須帯域のプラチナバンド(700~900MHz)の帯域を持っていない。
これを持っていないため、以前のソフトバンクのように、地下や建物内、田舎などでは電波が繋がりづらくなくなったり、auパートナー回線でカバーするようになる。
この帯域は、総務省が割り当てるかを全て決めているので、極端な話、この帯域が変わらない限りは、いくら基地局が増えたとしても、地下などでの繋がりやすさは改善されないということになる。
また、楽天回線エリア以外では月5GBが上限というのも注意だ。
iPhoneだと使えないor不具合がある
これもバンドに付随した話だが、楽天では4Gで割り当てられているバンドが特に少なく、auから借りているband18/26を除けば、自社ではband3にしか対応していない。
基本的にスマホは対応した周波数を受信して、通信を行うので、スマホなどの端末側でもし、band3とband18/26に対応していなかった場合は、そもそも楽天モバイルの回線を拾うことができないし、パートナー回線もband18/26sしかない点に注意だ。
特にiphoneなどは、一部の機種(10よりも前)が非対応で、動作確認が取れている10R以降も、動作保証がないため、iOSのアップデートで不具合が起きることもある。
また、後述するが、楽天の通話アプリを使用する場合は、対応機種でないと不具合が発生する可能性がある。
データの繰り越しはできない
楽天回線はデータの使い放題ができる分、他のMVNOやサブブランドでできるデータの繰り越しができない。
例えばUQモバイルで月15GBを契約している場合、
- 1月→5GBだけ使用(10GB繰り越し)
- 2月→15GB+繰り越し10GB=25GB
という感じでどんどんデータ量を繰り越していけるのだが、楽天モバイルではこれができないということになる。
ちなみに、パートナー回線についても繰り越しはない。
かけ放題は電話ではなく楽天LINKアプリ
楽天アンリミットはかけ放題が無料だが、これは通常の電話ではなく、アプリを通じた電話あるという点に注意が必要だ。
仕組み的にはアプリを通じて、通常の電話をかけるため、楽天で公表している対応機種以外だと不具合がでたり、通常の電話よりも一手間あるので、使い勝手は他の3社と比べると劣る。
サブ回線として使うのがおすすめ
ここまでを踏まえると楽天モバイルは
- 現在楽天モバイルを使っていてなんの不満もない
- 楽天回線エリアに住んでいる
- 楽天経済圏でSPUを上げたい
- 無制限で安く使いたい
- 1GB未満で利用する
- ガラケー+電話だけで使いたい
- サブ回線として契約したい
という感じの人にはおすすめだ。
楽天はおそらく4月以降の有料化とahamoやpovoなどの他社の新プランの登場で、キャンペーン後の解約が進むと踏んで、ユーザーを繋ぎ止めるために無料化したのだと思う。
月1GB以下に抑えれば無料で使えるので、かけ放題の専用としてサブ回線で使うなら、契約するのもありと言えるが、通信品質の面がやはりネックなので、メイン回線にするのは厳しい。
なので、このデメリットを理解した上で契約する分にはなんの問題もないが、そうでない人は、料金の安さだけで選ばず、しっかりとエリアなどを確認した上で契約するかを決めるといい。