日本通信SIMの合理的プランと、ドコモのアハモとのどちらにするかで悩んでいる人は多いだろう。
特に日本通信はプラン内容は一見アハモと同じで、それでいてよりお得に見えるが、構造上、アハモと日本通信SIMには明確な差がある。
そこで今回は、日本通信SIMの合理的プランとアハモのそれぞれの特徴や違いを比較し、どちらを選ぶべきかを解説していく。
大前提:MNOとMVNOの違い
この2つを検討している方は特に速度や混雑具合、安定性などが気になっている人が多いと思うが、結論から言うとこの2つはそれぞれ、
- アハモ=MNO
- 日本通信SIM=MVNO
となっているので、エリアや通話品質は変わらないものの、速度や通信の安定性は比較するまでもなく、日本通信SIMはアハモ(ドコモ)に劣る。
また、MVNOの特性上、通信の混雑については避けられないので、その点は事前に頭に入れておいてほしい。
速度が遅くなる理由については下記の記事で解説しているので気になる方はそちらを見てほしい。
日本通信SIMとahamoの特徴
日本通信SIM(合理的プラン)
- 2020年の6月からサービス開始したMVNO
- 月20GB(現状は16GB)+通話70分付きで月1,980円
- ドコモ回線のMVNO
- 速度制限後は200kbps?(合理的かけほとおそらく同じ)
- データ追加が1GB250円
- 70分以降の通話料金が30秒あたり10円
- 申し込みはオンラインのみ
日本通信株式会社が提供する、ドコモのMVNOサービス。
もともとはb-mobileという格安SIMを提供していたが、2020年6月から兄弟ブランドとして日本通信SIMを立ち上げ、その後12月に(合理的プラン)をリリースした。
アハモの発表の後に対抗プランとして唯一MVNOから出されたプランで、内容的にはほぼアハモと同じだが、こちらは通話が70分まで無料で、月1,980円と、よりお得な内容になっている。
ただし、前述の通り、通信品質はMVNOのため、ドコモに大きく劣る。(ただし、3Gに対応しているのはメリット)
ahamoの特徴
- 2021年3月開始予定のドコモの新ブランド
- 月20GBで2,980円
- MNOでドコモ回線と同じ品質
- 速度制限後は1Mbps
- 1回5分までの電話料金が無料
- 月額1,000円でかけ放題
- 海外の82カ国で利用が可能
- 1,000円利用で10ポイントのdポイント付与
- 申込みはオンラインのみ
ドコモが発表した若年層向けの格安プラン。
申し込み手続きやサポートなどの人件費がかかるサービスや割引をなくし、価格を抑えている。
日本通信SIMとahamoの比較
日本通信SIM | ahamo | |
---|---|---|
月額料金 | 1,980円 | 2,980円 |
通信 | 3G/4G | 4G/5G |
通信の品質・速度 | ○ | ◎ |
速度制限 | 200kbps? | 1Mbps |
通信容量 | 20GB | 20GB |
通話料 | 合計70分まで無料 10円/30秒 |
1回5分の通話が無料 20円/30秒 |
かけ放題オプション | – | 月1,000円 |
データ追加 | 1GB250円 | 1GB500円 |
海外データ通信 | – | 82カ国(無料) |
サービス開始 | 2020年12月 | 2021年3月 |
ドコモからの乗り換え | 初期手数料:3,000円 MNP:3,000円 |
無料 |
電話のかけ放題と通話料
この2つの一番大きな違いは電話のかけ放題と無料サービス終了後の通話料だろう。
- 日本通信=70分まで無料→超過後は10円/30秒
- アハモ=1回5分の通話が無料+月1,000円でかけ放題→超過後は20円/30秒
とかなり違う。
なので、1回の電話を長くかけるか、それとも短い電話をたくさんやるかでどちらが有利かが変わるので、自分の状況に合わせてどちらが合うか見極める必要がある。
とはいえ、あまり長い電話をしないという人なら、1回の電話の時間に制限がない日本通信の月70分の方が有利と言えるだろう。
ちなみに余談だが、ナビダイヤル(0570,1870ではじめるやる)はかけ放題の対象外になるので、無料だと思って問い合わせしまくるとえらい目にあう可能性があるので注意だ。
国外の利用の有無
今のところは状況的にどちらも実質不可だが、将来的に海外旅行にいったり、国外でも利用する予定がある方なら、海外利用ができるアハモの方が間違いなく有利と言えるだろう。
ただ、この2つを使うということは基本的にはSIMフリー端末を使うはずなので、海外旅行の際に現地のプリペイドSIMを買って入れれば、安く済むので、そこまで問題ない気もする。
MNPの手続きの有無(※ドコモユーザー)
これは意外と見落としがちだが、ドコモから乗り換える場合、MNPの手続きや初期手数料の有無に違いがある。
日本通信SIMの場合は、最初の申し込みの初期手数料として3,000円、さらにMNP(同じ番号で乗り換える)をするとなると、MNPの転出料金が3,000円かかる。
一方でアハモの場合、ドコモから乗り換える際は、初期手数料やMNPの手数料は一切かからず、手続きも非常に楽になっている。
なので、ドコモから乗り換える場合は、日本通信だと初期で6,000円の手数料がかかるということを頭に入れておくといい。
結論:速度や安定性ならアハモ、安さなら日本通信
ここまで2つの違いを比較してきたが、まとめると、
- 速度・安定性重視→アハモ
- コスパよく使いたい→日本通信SIM
という感じで、料金と速度のどちらを重視するかで変わるだろう。
一見日本通信SIMの方が安くて良さそうに見えるが、MNOとMVNOの違いをわかっていないとあとになってから後悔することになるので、検討する際は注意が必要だ。
アハモ対抗と言っているが、日本通信SIMに限らず、MVNOは料金を安くするしかもうないので、今後日本通信SIM以外のMVNOで同様もしくはより安いプランが出たとしても、今回のような考え方で比較すると良い。