先日ドコモの新プランであるahamoが2020年3月からサービス開始と発表された。
ドコモ回線と同じ品質で月20GB使えて2,980円と、他社のサブブランドに衝撃を与えたが、実は格安SIMと比べるとまだ検討する余地がある。
そこで今回は、アハモを検討しているけど、実はアハモと格安SIMの違いがよくわかっていないという人に向けて、アハモと格安SIMの違い、そしてどちらが本当におすすめなのかを解説していく。
結論:ahamo(アハモ)がお得なのは一部ユーザーだけ
SNSやニュース記事を見ると、アハモの登場により、他社のサブブランドや格安SIMが終わったという声があるが、実はアハモがお得なのは一部のユーザーに限った話だ。
というのも、アハモは
- 今大手キャリアを使っていてITのリテラシーが高い人
- 7GB以上のプランを使っている格安SIMユーザー
- 同価格帯のサブブランドユーザー
ぐらいしか乗り換えるメリットがないからである。
アハモと他社のプラン比較
ahamo | UQモバイル(サブブランド) | mineo(格安SIM) | |
---|---|---|---|
月額料金 | 2980円 | 1,980~3,980円 | 1,400~6,600円 |
通信 | 4G/5G | 3G/4G | 3G/4G/5G ※5Gプランは月200円 |
通信速度 | ◎ | ○ | △ |
通信容量 | 20GB | 3/10/20GB | 500MB~30GB |
速度制限 | 1Mbps | 300Kbps/1Mbps | 200Kbps |
かけ放題 | 無料(1回5分まで) | 有料(料金による) | 有料(mineoでんわ) |
海外データ通信 | 無料(15日まで) | 有料 | – |
データの繰越 | ✕ | ○ | ○ |
店舗対応 | ✕ | ○ | △ |
アハモと他社のプランの比較はこんな感じだ。
ぱっと見はアハモバイルが圧倒しているように見える。
しかしこれはあくまでも「20GB」という容量で比較した場合である。
ほとんどのユーザーは7GBも使わない
MMD総研の調査データによると、スマホの平均データ使用量は月7GB以下の人が79.2%以上で、月20GB以上使っている人は全体の10%にも満たない。
さらにmineoの出している「mineo契約者の契約プラン・タイプ別比率」のアンケート結果を見ても、75%以上が7GB以下を選択している。
つまり、ほとんどのユーザーにとって、20GBは多すぎる容量ということ。
実際、自分も3GBプランを使っているが、正直これでも毎月データ量は余るので、普通のユーザーならせいぜい月5~6GBで十分ということだ。
アハモの隠れざるデメリット5つ
アハモのメリットについてはおそらく周知だと思うので、ここではあえて、アハモの隠れざるデメリットについて触れていく。
実際にアハモを検討する上で注意すべきデメリットは以下の5つだ。
- アハモは良くも悪くも1プランしかない
- 実質的にドコモのサブブランド
- データの繰り越しがない
- 3G電波が使えない
- 契約・サポート窓口がオンラインのみ
アハモは良くも悪くも1プランしかない
アハモの料金プランは非常にシンプルで大容量でお得感もあるが、裏を返せば他の格安SIMやサブブランドのようにギガ数に応じた低容量のプランがない。
なので、毎月10GB以上の大量のデータ通信をする人以外は、必要以上に高い料金を支払って使うことになる。
実質的にドコモのサブブランド
アハモはドコモの中の1つのプランとして位置付けされているため、通常のドコモの回線と同じ速度で利用できると言われている。
しかし、実際のところは
- サイトのドメインがドコモとは完全に別
- ネットワーク上の表示名が「docomo」ではなく「ahamo」
- キャリアメールは使えなくなる
- 契約は個別となる
- ドコモの契約年数がリセットされる
- MNP転出手続きが必要(2021年5月まで)
など、実質的にサブブランドの扱いであるため、初期段階では別ブランドに乗り換える手続きが必要になる。
データの繰り越しがない
通常の格安SIMやサブブランド(UQモバイル)では、余ったデータ量を翌月に繰り越すことができるのだが、アハモはそれができない。
20GBもあれば十分だろうという話だが、前述の通り、他の格安SIM/サブブランドなら繰り越しが可能なので、たとえ3GBでも実質的に多く使うことができる。
3G電波が使えない
アハモは3G電波が使用できないため、たとえドコモの3G対応エリア内であっても圏外となる。
最近は全国のほとんどが4Gカバーされているので、4Gでも事足りなくはないが、4Gの対象外エリアに住んでいたり、趣味や仕事で山間部によく行く人は注意が必要だ。
契約・サポート窓口がオンラインのみ
これに関しては一部の格安SIMも同じだが、アハモは契約申込みや契約後のサポートは全てオンラインのみとなっている。
さらに言うと、相談などは全てオンラインチャットのみで電話も不可になっているので、何かあった場合は基本全て自己解決。
ある程度詳しい人なら問題はないが、今までショップに行って手続きをしていた人や、オンラインの手続きに不安がある人にはハードルが高い。
アハモが向いている人・格安SIMが向いている人
以上のデメリットを踏まえた上で、改めてアハモが向いている人と格安SIMが向いている人の特徴を分類してみた。
このどちらにも当てはまらないという人は、素直に今使っているキャリアをそのまま使うのがおすすめだ。
ahamo(アハモ)がおすすめな人
- 月7GB以上のデータ通信をする
- ストレスのない高速通信をしたい
- 通信制限後も快適に使いたい
- 海外でもデータ通信がしたい
- 現在の月額料金が3,000円以上
- 手続きがオンラインのみでも問題がない
- ファミリー割引・ドコモ光セットなどの割引は必要ない
格安SIMがおすすめな人
- 月3~5GB程度のデータ通信しかしない
- 多少遅くても使えればいい
- 必要に応じてプランを変更したい
- 月額料金を2,000円以下にしたい
個人的にはしばらく様子見がおすすめ
アハモはたしかに魅力的なプランだが、全員即乗り換えレベルというわけでもなく、合う人合わない人がはっきり分かれるプランと言える。
あと、なんと言ってもまだサービスが始まっていないため、実際の速度や回線の安定性にも不安は残る。
それに、楽天モバイルのように、これから他社の対抗プランに出し抜かれてしまう可能性も0ではないため、焦ってすぐに申し込まないようにするのが大事だ。
個人的にはサービス開始から2ヶ月程度経ち、ある程度の評判が見えてきてから乗り換えを検討することをおすすめする。